DRAGON DRONES

プロドローンインストラクターが綴る本気のドローン情報

ドローンのカメラ設定 Mavic2Pro と MavicMini

ドローン 橋本竜
 
こんにちはプロドローンインストラクターの橋本竜です。
 
ドローンを手に入れてやりたい事ナンバーワンといえば、動画撮影ですよね。
初めて空撮に挑戦しても、残念な結果になったりしませんか?
チラチラしたり、再生途中で明るさが変わったり、黒つぶれや真っ白に飛んでいたりと思うような動画が撮れなくて残念
でも安心してください。
撮影の設定をマスターすれば、思い通りの明るさや色で綺麗に録画ができるんです。
 
それでは行ってみましょう!
今回は比較的購入しやすいMavic2ProとMavicMiniに限定した、動画設定について解説していこうと思います。
動画設定の基本です。
動画設定の画面をみると、聞きなれない用語やアルファベットが出てきて混乱しますよね。
一つづつ確認していきましょう

fps

fpsは1秒当たりの静止画の数と理解してください。
昔のフイルム映画が動画の元祖で、映画館で上映されるフイルムは1秒間に24枚の静止画から構成されていました。
パラパラ漫画の原理と同じですね。
fpsとはファイルパーセカンドの略で、1秒間に静止画の数が何枚収まっているのかを表しています。
日本国内では24、30、60fpsが代表的な値です。
24は映画、30はDVD、60は地上波テレビで採用されています。
 

シャッタースピード

デジタルカメラをお持ちの方は何となく耳にしたことがあるかもしれません。
シャッタースピードとは先ほどのfpsで説明した静止画を記録するときに、センサーに光をどのくらいの時間当てているかを表現している値です。
通常は1/60秒や1/120秒と表現しています。
光を当てる時間の長さなんですね~。
1/60秒であれば、0.0167秒、1/120秒であれば0.0083秒と言う時間だけ光を取り込んでいます。
分母の数値が大きくなるほど、光を取り込んでいる時間が短くなるんです。
そのため、明るさが足りないときは分母の数字を少なく、逆に明るすぎるときは数字を大きくして調整します。
他にも、被写体を詳細に記録するときにも分母の数値を大きくします。
通常はfpsの倍数で設定するので
24fpsでは1/50秒~1/60秒、30fpsでは1/60秒、が基準となります。
もう一つ縛りがあって、fpsの値より低いシャッタースピード設定は行いません。
 
 

ISO

アイエスオーは光の感度の値です。
ISO100~12800などの設定幅がありますが、簡単に言うと数値が低いほどきめ細やかに記録出来る反面明るさが必要で、
暗いところでは数値を高くして光感度を強くしますが、きめが粗く記録されてしまいます。
動画では通常ISO100縛りで設定します。
例外もありますけどね。
 

絞り

シャッタースピードでは光の取り込む制御を時間によって行いました。
絞りでは、レンズを通す光の量を物理的に制御します。
光の量を制御するとどんなことが起きるかと言うと、ピントの合う縦距離の幅が増減するんです。
普段私たちも本能的にやっているのですが、遠くを裸眼で見ようとすると目を細めますよね?
そうなんです、光の量を少なくすると遠くまでピントが合いやすくなってよく見えるんです。
文字通り、光を絞って制御することで焦点が合う深さを調整しています。
通常はF値で表現されています
空撮の場合はf=8~11で設定します。
 

ホワイトバランス

ホワイトバランスは白を白く記録するための設定です。
映像エンジンと言う各メーカーが独自の理論で色の記録式を組み込んでいるところに、人間の眼で見た白を基準とする設定をホワイトバランスで行います。
色温度=ケルビンで表現するときもありますし、曇り、太陽光、蛍光灯、白熱灯のように光の状況で設定するモードもあります。
 

記録形式(MOVかMP4か)

MOVやMP4といった記録設定があるのですが、単純には言えませんがよくプロ指定するのはMOVが多いです。
MP4はMOVを基に作られたのですが、画質などの違いはありません。動画のコンテナの違いです。

logとカラー

 
MavicMiniにはありませんが、Mavi2ProにはDlog-M(10bit)のカラーモードが用意されています。
ログと言って光のグラデーションを対数を使って数値表現しています。
グラデーションは階調と呼ばれていて、一番明るいところから一番暗いところまでを、何段階に分けるかを表しています。
Mavic2Proの場合は10bitなので1024階調の画像表現段階が可能なのです。
なんでログで撮影するのかと言うと、動画の編集時にその目的や表現に合わせた色遣いを後から乗せるため、最大の階調で記録したいからなんです。
今回は詳しく解説しませんが、色を乗せることをカラーコレクションとかラットをあてるとか言います。
 

ここまでのまとめです。

 
fpsはメディアによって設定を変える
シャッタースピードは光を取り込む時間
ISOは光の感度を決めて基本100縛り
絞りは光の取り込む量でF=8~11
ホワイトバランスは白を基準にした色設定
記録方式は2種類でプロはMOVが好き
Logは対数で10bitは一番明るいところから暗いところまで1024階調で記録ができる。
 
 

フィルターの役割

ISOを100、シャッタースピードは1/60秒、絞りをF8~11とすると、
空撮では明るく撮れてしまい、ダメダメな動画になってしまいます。
そんな時に使うのがNDフィルターです。
 

NDフィルター
NDフィルターの役割は簡単に言うとサングラスです。

レンズに取り込む光自体を減らしてしまいます。
NDはニュートラルデンシティーの略です、濃度を表しています。
絞りと同じような働きをするのですが、入ってくる光自体を減じることで絞りすぎによる悪影響を防げます。
NDにはND2からND16、ND1000なんてものまであるんです。
数字が大きくなるほど光量を少なくしているので、ND2は通常の1/2、ND16は通常の1/16まで光量を減らせるんです。
このNDフィルターを使って全体の光のバランスを整えて撮影に挑みます。
 
ほかにも、光のぎらつきを調整するC-PLフィルターや、横幅の写りこむ長さを大きくするアナモルフィックレンズなどで撮影設定を行います。
 
ではMavicMiniMavic2Proで設定できる項目を比べてみましょう。
MavicMiniの動画設定可能項目
 
Mavic2Proの設定項目
この表を見ると確かにMavicMiniは航空法適用外なので飛行できる状況が増えると思いますが、動画クオリティーを考えるとMAヴぃc2Proを選びたくなりますね~
ここが悩みどころ・・
 
動画撮影の経験が少なくて、はじめてドローンを手にする人はMavicMiniで画角や構図を覚えて表現力を身につけるのもいいのかなと思いますし、プロのフォトグラファーさんやシネマトグラファーさんがお試しでドローンを飛ばすならMavic2Proがいいと思います。