DRAGON DRONES

プロドローンインストラクターが綴る本気のドローン情報

小学4年生がプログラミングでドローンを飛ばせるのか?

こんにちは、プロドローンインストラクターの橋本竜です。


今回は、telloとアプリを使ったプログラミング飛行を小学生が簡単にできるのかを確認してみたいと思います。


今回協力してくれるのは、小学4年生の久保 瑠花(くぼ るりか)さんです。

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使用している機材です。
tello
DRONE STARプログラミング
以上です。
シンプルですね~。

 


実はルリカさんはドローンよりも語学等に興味を持っています。内心DRONE STARプログラミングに興味を持ってもらえるか心配でした。


それでは、まずはDRONE STARプログラミングっていったいどんなアプリなのでしょうか?

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DRONE STARプログラミングはORSOという会社が開発した、ドローンプログラミングを子供から学べるアプリで、初めてドローンに触れる人からドローンの細かい動きをプログラムしてみたい大人まで満足できるアプリですね。
プログラミング系のアプリの殆どが英語のみ。
日本語環境で気軽に開発できるアプリってDRONE STARプログラミングくらいしかないんですよね。


DRONE STARプログラミングのメニューは、ORSOオリジナルドローン、telloの2機種に対応しています。
ミッションメニューは「入門編」「応用編」のほかに誰でもドローンが楽しめるようにアプリ上のボールを操作してドローンを操縦したり、音楽に合わせて操縦する無料のコンテンツが用意されています。

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では、今回るりかさんにチャレンジして貰ったミッションは、プログラミング入門編です。
入門編の制約として、プログラムで飛べる飛行時間が30秒、プログラムできる機能が上昇・下降、前進・後退、左右移動、左右回転、ホバリング、前後左右フリップと動画静止画の撮影です。


応用編ではtelloの機能ほぼすべてが利用できて、さらに条件関数や演算、変数、ブロックなども使えます。


るりかさんにはアプリの制約やプログラミングの方法など詳細は全く教えていません。
教えていないというか、どれだけ直感的にこのアプリを使えるか知りたかったんです。
今どきの小学生はタップ、スワイプなどスマホが登場してからの独特の操作方法にネイティブなので、アイコンだけ教えてしまえば、どんどん進んでいきます。
プログラミングを行う前に、ドローンの飛行の注意点をお話ししておきました。
人がいない場所、リビングなどでは花瓶や紙などは片づけてから飛行させるなどです。
ちなみにtelloは万が一壁に当たったとしても、センサーが反応してモーターが停止するようになっています。この機能とても安心できますね。
tello自体は15歳以上の操縦が推奨されているので、かならず大人の方が一緒に飛行させるようにしてください。


離陸と着陸のブロックの間にtelloの振る舞いを入れる点だけ教えました。
ドンドンブロックを入れていきます。
使い方はほぼ何も教えてないんですが、小学4年生だと前進、左右、回転などはしっかり理解しているのでサクサク入れてました。
逆に、ホバリング、フリップなど日常であまり使わない言葉だけ僕に聞いてきました。


早速ルリカさんが組み立てた飛行プログラムを見てみましょう。

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選んだミッションは「くらげの動きを表現しよう」でした。
身近だったり特徴的な動きをする生き物を題材にしてミッションテーマが構成されています。
ミッションテーマに関係なくプログラムによる動作は全て同じです。
離陸から着陸の間にドローンの動作を一つづつ入れていきます。
動作に対してパラメータを入れる項目があるので、パラメータの設定もします。
ちなみに、telloは自動離陸をすると120センチ上昇してホバリングします。
ですので、自宅のリビングなので飛行させる場合は、ダイニングテーブルからではなく床から離陸させた方がよいと思います。
離陸後、動画の録画を開始しています。
上昇20センチ、離陸地点から高度140センチですね。
前進80センチ、後退80センチ、左移動50センチ、右移動50センチ。
これまでの飛行に必要なスペースは前方向に80センチ+安全圏50センチくらい、左50センチ+安全圏50センチですので、前方130センチ、左100センチとなります。
安全圏の幅はリビングなど飛行させるエリアによって顧慮してください。
飛行プログラムは
後フリップ、前フリップのあとに録画を停止させて着陸です。
プログラム上、離陸地点に戻ってくるようにしていますね。
もし、お子様とプログラムする際は大人の方がプログラム内容を把握して、安全を確保できるような飛行経路なのかを確認してください。
では、実際の飛行の様子はYouTubeをご覧下さい。

https://m.youtube.com/watch?v=sw2TPXxquNA&feature=youtu.be

 


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るりかさんがプログラミングで作った飛行、いかがだったでしょうか?
ここまでで約30分です。
最短でも一時間以上は掛るかと思いましたが、想定以上に早かったです。


飛行中、るりかさんはiPadをガン見しているように見えますが、飛行の様子をiPadのアウトカメラで自動撮影しているんです。
これもDRONE STARプログラミングの標準機能。


DRONE STARプログラミングとtelloを使った飛行。
プログラミング学習という観点から見ても優れていると思います。
小学低学年から高学年まで楽しめるので、夏休みの自由研究課題としても適していると思います。
中学生や高校生、大人の方でしたら、本格的な飛行プログラミングの基礎を習得するのにも向いています。
telloとDRONE STARプログラミングを使った3Dスキャニングなどもできると思います。