DRAGON DRONES

プロドローンインストラクターが綴る本気のドローン情報

DJIインストラクターが解説する DJI CAMP スペシャリスト認定講座のすべて

DJI CAMPでスキルチェック

ドローンを持っている方やこれから仕事などで導入しようとしている方が最初に考えるのが、ドローンの操縦資格についてではないでしょうか?
ドローンのトップブランドである DJIではその資格や教育についても力を注いでいます。DJI JAPANが主催しているDJI CAMPはドローンの資格の中でも、仕事としてドローンを操縦している方向けに特化した、いわばプロ用の資格なのです。
では、DJI CAMPとはどういったものなのでしょうか?
その前に、ドローンの資格とはどのようなものなのかを確認したいと思います。

ドローンの国家資格はあるのか?

日本国内ではドローンの資格がいくつかありますね。
資格というと国家資格を想像してしまいますが、日本ではまだドローンの資格は国家資格としてはありません。
ただし、国土交通省では資格によって飛行承認や許可の申請に際して優遇される民間の資格があるのをご存知でしょうか?
これはドローンという非常に速いスピードで進化する無人飛行機を闇雲に規制して国家資格としてしまうと資格に必要な技術と実際に必要とされる技術とが年月とともに著しくかけ離れてしまうのを避けるためだと思います。
そのため、一部の民間資格について申請時の書類を省くことができるように、一時的に処置を行ったのでしょう。数年後にはこの民間資格が国家資格へ移行できる、もしくは試験の一部を省いた資格となる可能性があるので、注目すべきでしょう。

DJI CAMPには3つの資格がある

DJI CAMPというとスキルアップのためのトレーニングと考えがちですが、内容はDJI JAPANが規定した資格取得のための技術試験と知識の講座・試験なのです。
そのDJI CAMPは3つのランクの資格があるのです。

DJIマスター

DJIマスターはDJI JAPANより直接任命される資格です。
業務飛行実績が100時間を超える飛行操縦経験者が対象。
DJIインストラクターの教育、監督、技能資格の認定を行います。
認定責任を負います。

DJIインストラクター

DJIインストラクターは、DJI CAMPの目的と内容に賛同し、DJIマスターが実施するDJI CAMPインストラクター認定講座を受講、認定試験に合格する必要があります。
50時間以上の飛行操縦経験があり、過去に国土交通省無人航空機の飛行に関する許可・承認に係る申請を経験した操縦者で、DJIスペシャリストの教育、監督、技能資格の認定を行い、同時に認定責任を負います。

DJIスペシャリスト

DJIスペシャリストは、DJI CAMPの目的と内容に賛同し、DJIインストラクターが実施するDJI CAMP スペシャリスト認定講座を受講し、認定試験に合格する必要があります。
10時間以上の飛行操縦経験がある操縦者で、DJI製品のユーザーマニュアルを事前に熟読し、実際の飛行業務に従事できるものとします。

業務で使用する方にはDJIスぺシャリストがおすすめ

業務の中でドローンを使用するならDJIスペシャリストの認定を受けることをお勧めします。

理由1 講習日程が短い

業務利用の方々のほとんどが何らかの仕事を抱えながら受講すると思います。
実際、僕の講座でも休憩時間に電話で仕事をしている人がほとんどです。
特にドローンを使用する仕事に関連している方は、測量業、土木・建築業、不動産業の方々が多く、どの仕事も納期や人手不足などの問題を多少なりとも抱えているので、受講されてる方々も非常に忙しそうです。
そういった中でDJIスペシャリストはドローンの資格の中でも比較的短期間で取得でき、国交省への資格届け出でも認められているので人気があります。

理由2 国土交通省への届け出がスムーズ

業務飛行の場合必ずと言っていいほど、国土交通省無人航空機の飛行に関する許可・承認が必要になります。DJI CAMP スペシャリストは国土交通省へ許可承認手続きを行う際の書類の一部が省略できるので届け出が円滑に行えます。
あくまでも経験談ですが、取得資格によっては承認日数が伸びてしまうといった声もあるようです。

理由3 費用が安い

他の資格に比べ、DJI CAMP スペシャリスト認定講座は費用が1/5~1/3程度ですみます。
実際業務でドローンを飛行させている方が対象なので、操縦に関わる講習やトレーニングの時間がない分費用がとても低く抑えられます。一方、操縦技術はいきなり実技試験となるのでそれなりの練習が必要になるばかりか、飛行計画などの座学試験が合格しても実技試験だけ落としてしまい、最後のオンライン試験に進めない方も少なくありません。しっかりと練習をするか、実技試験対策が含まれるDJI CAMP スペシャリスト認定講座を選んで受講しましょう。

【DJI CAMP スペシャリスト認定講座のお申込みはこちら 

DJI CAMP スペシャリスト認定講座で行われること

DJI インストラクターが実施する、DJI CAMP スペシャリスト認定講座では下記の内容を基本として実施されます。
2018年10月1日より内容に変更がございます。

座学講座

座学講座は約10時間程度行われ、下記の知識や法律を学びます。
単にテキストを読み上げるだけではなく、詳細についての事例解説や考え方などをインストラクターが受講者の皆さんに丁寧に教えていきます。
業務でドローンの操縦に慣れているとはいえ、改めて法律やその詳細の解釈と具体的な内容の説明をしていくと、皆さんが驚きの表情を浮かべたり、更に質問をいただいたりと充実した座学になります。
座学カリキュラム
第1章 操縦者の行動規範
第2章 安全基準
第3章 禁止事項
第4章 マルチコプターの概論
第5章 電波について、第6章 気象について
第7章 飛行について、第8章 DJI製品について
第9章 法律について
*座学には指定のテキストが必要となります。またコピーを持ち込んでの受講は不可となっています。

座学試験

以前の座学試験では、テキストに沿った内容の問題と、飛行計画レポート作成の2種類が行われていました。
DJI CAMP スペシャリストがUTCに組み込まれることによって、飛行計画作成を除いた筆記問題がオンラインテストとなりより公平な内容となりました。
座学試験(現地
・飛行計画レポート作成 50点満点(40点以上が合格点)
座学試験(オンライン)
・テキストの内容から出題 50点満点

技能テスト

DJI CAMP スペシャリスト認定講座では実技に関するレッスンは含まれておらず、いきなり試験を行います。
もちろん、DJIインストラクターが試験内容のデモンストレーションを行った後に試験を行いますが、ほとんどの方が緊張のあまり普段の実力を発揮できずに試験を終えているようです。
実際、時間がある時に試験終了後、もう一度試験内容の飛行を行ってもらうとスムーズな操縦で丁寧にドローンを飛行される方がほとんどです。
やはり、レッスンプログラム付きの講習会の方が試験時も適度な緊張感で行っていただいているので、操縦に安心感が生まれますね。

技能テストの内容

技能テスト内容は公開されています。以下の内容で試験を行います。
(P)はポジショニングモード、(A)はATTIモードでポジショニングセンサーをオフの状態です。
50点満点で40点以上が合格点です。

1. 機体コンディションチェック : 各種機体状況確認をしているか。
2. 離陸(P) : 周囲の安全を確保し、確認してから離陸している。
3. ホバリング(A)1分間 : 精度±50cm(優)、精度±1 m(良)
4. 右or左のホバリング(A) 1分間 : 精度±50cm(優)、 精度±1 m(良)
5. 対面ホバリング(A) 1分間 : 精度±50cm(優)、 精度±1 m(良)
6. 前進してポールまで飛ぶ(A) : 画面中心なら(優)、画面内にポールなら(良)。
7. 対面で離陸地点に戻ってくる(A) : まっすぐ戻ってこられる(優)。逆舵切ったら(良)。
8. 8の字旋回×2(A) : 正確に進行方向で8の字を描く。(縦横不問)
9. ノーズインサークル×2(A) : 正確に中心を向き円を描く。(左右不問)
10. 着陸(A) : 周囲の安全を確保、確認してから着陸している。

*ポジショニングモードで離陸した後にATTIモード+ビジョンポジショニング機能をオフにした状態で行います。

DJI CAMP スペシャリスト認定講座は実技講習や飛行計画作成実習付きのものがおすすめ

DJI CAMP スペシャリスト認定講座の費用は非常に安いものから15万円程度のものまで様々です。その内容を見てみると座学講習と筆記試験、技能テストだけのものから、人気講師による座学に飛行計画の作成実習と技能テスト前のスキルアップ講習や撮影実習まで含まれているものまであります。
実務において飛行経験が豊富の方でもATTIモードポジショニングセンサーをカットした状態で8の字や、指定したポールまでのマニュアルフライトを普段から練習されているでしょうか?
あくまでも僕の経験上のお話ですが、DJI CAMP スペシャリスト認定を受講される方で普段8の字旋回やノーズインサークルを業務で使用している方はあまり聞きません。
実際、ドローン測量や屋根の撮影には使わない操縦技術なので無理もありませんが、GPSGNSS)などの位置情報が捉えられず飛行しなければならない状況になった時に必要な操縦スキルの指標として8の字旋回、ノーズインサークル、対面操作などの技量を見ることで皆さんの操縦スキルがわかるのです。そのための試験項目なので練習をしていただくことが一番大切なのです。
たとえ1回目で技能試験が受からなくとも、DJIインストラクターのレッスンを受けることで今までの業務フライトが効率よく行えたり、安心感が生まれたりするのも事実です。

是非、DJI CAMP スペシャリスト認定講座で皆さんの操縦スキルを客観的に判断してみましょう。

解説
DJIインストラクター 橋本竜

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