ドローンの免許ってあるの?
こんにちは、プロドローンインストラクターの橋本竜です。
講習会や、YouTubeのコメント欄で良くいただくご質問です。
結論から先に言うと、2021年2月4日現在、ドローンの操縦に係る国家資格は存在しません。
よくドローンスクールのWebページ(HP)では「国土交通省認定」「資格取得」と謳われていますが、国家資格ではありません。
国交省認定はウソなのかと思われがちですが、ウソではなく確かに登録されているスクールや団体は約700団体となっています。
「国土交通省認定」とは何なんでしょうか?
正確には
「航空局ホームページに掲載されている講習団体を管理する団体」
と
「航空局ホームページに掲載されている無人航空機の操縦者に対する講習等を実施する団体」
のことです。
このHPに掲載されている管理・講習実施団体の定める講習会を受講して修了証の発行を受けると、国交省航空局へ航空法によらない飛行の許可・承認申請をする際に、申請書類の提出の一部が省略できます。
認定団体ではなく掲載団体です。
ドローンスクールの広告では認定と表記しているところもあるようですが、正確に言うと「航空局HPに掲載されている団体」ですね。
認定されていると思うと、免許発行のような印象がありますが、それほど優位性があるわけではありません。
掲載団体のメリット「省略できる書類」とは?
省略できる書類は2つです。
申請書様式3と無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性です。
申請書様式3
無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性の内容です。(国土交通省航空局の申請様式から抜粋)
無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書
無人航空機を飛行させる者「橋本 竜※」は、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」の4-2に掲げる飛行経歴・知識・能力を有していることを確認した。
確認事項 |
確認結果 |
||
飛行経歴 |
無人航空機の種類別に、10時間以上の飛行経歴を有すること。 |
適 / 否 |
|
知 識 |
航空法関係法令に関する知識を有すること。 |
適 / 否 |
|
安全飛行に関する知識を有すること。 ・飛行ルール(飛行の禁止空域、飛行の方法) ・気象に関する知識 ・無人航空機の安全機能(フェールセーフ機能 等) ・取扱説明書に記載された日常点検項目 ・自動操縦システムを装備している場合には、当該システムの構造及び取扱説明書に記載された日常点検項目 ・無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制 ・飛行形態に応じた追加基準 |
適 / 否 |
||
能 力 |
一般 |
飛行前に、次に掲げる確認が行えること。 ・周囲の安全確認(第三者の立入の有無、風速・風向等の気象 等) ・燃料又はバッテリーの残量確認 ・通信系統及び推進系統の作動確認 |
適 / 否 |
遠隔操作の機体 |
GPS等の機能を利用せず、安定した離陸及び着陸ができること。 |
適 / 否 / 該当せず |
|
GPS等の機能を利用せず、安定した飛行ができること。 ・上昇 ・一定位置、高度を維持したホバリング(回転翼機) ・ホバリング状態から機首の方向を90°回転(回転翼機) ・前後移動 ・水平方向の飛行(左右移動又は左右旋回) ・下降 |
適 / 否 / 該当せず |
||
自動操縦の機体 |
自動操縦システムにおいて、適切に飛行経路を設定できること。 |
適 / 否 / 該当せず |
|
飛行中に不具合が発生した際に、無人航空機を安全に着陸させられるよう、適切に操作介入ができること。 |
適 / 否 / 該当せず |
無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性
無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性書類は比較的簡素です。
下の内容が「無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性」です。
以下のとおり、飛行させる者は飛行経験を有しており飛行マニュアルに基づいた飛行訓練 を実施している。
飛行させる者: 橋本 竜
総飛行時間: 97 時間
夜間飛行時間: 5 時間
目視外飛行時間: 3 時間
物件投下経験: 0 回
現在はこれに、無人航空機の種類(回転翼機、固定翼機、飛行船)毎に飛行時間の申請を行います。
免許ってないのか?
全国の空域を許可や承認なく飛行させられる公的なドローンの免許は2021年2月4日現在存在しません。
ドローンの飛行には様々な法規制やルールが存在しています。
また、独学で法規制やルールを学んで飛行させようとしている方もいらっしゃいますが、法改正が頻繁に行われているのでリスクも高いです。
DIPS申請は簡単にできるが、よく見ると申請の条件に適合していない可能性も
飛行経歴・知識能力確認書に記載されている通り、操縦者には無人航空機の操縦技能や知識が求められています。
DIPSでの申請の場合、チェックボックスをクリックするだけですがもう一度その内容を確認して、操縦者自身が要求されている項目を満たしているかを確認してみてください。
ご質問、ご相談は
DRAGONDRONES
osiete@sky-bright.co.jp
まで。